現在、帰化により日本人国籍となった前・韓国国籍の方からのご相談です。
相談者は、女性の方ですが、その弟さんについてのご相談です。
弟さんは、韓国でうまれましたが、うまれてすぐに日本に来て、小学校、中学校、高校と過ごした「永住者」です。そして、19才の時、アメリカに渡り、30年近く現在もアメリカで暮らしています。アメリカ国籍も取得し、現在はアメリカ人です。
日本の永住の在留資格は、手続きをしなかった為、失効しています。
弟さんのご家族は、今回相談されたお姉さん(すでに帰化により日本国籍)、お母さんがいます。お父さんはすでにお亡くなりになっています。お母さんは、15年前に、日本人の方と結婚なさり、日本国籍を取得しています。
弟さんのお母さんと義理のお父さんも、弟さんのことを大変心配しているようで、普通養子も考えているようです。通常、成年になってからの普通養子は、入国管理局に対して、あまりアピールになりませんが、今回のケースは、普通養子縁組も効果はありそうです。
普通養子縁組したとしても、弟さまの国籍はアメリカでかわりません。
今回、弟さんの在留資格を申請するのであれば、告示外の「定住者」になります。告示外の「定住者」は、法律等で定めがなく、その外国人の事情を考慮し、許可するかを決めるものです。
また、以前「永住」であっても何らかの理由で、日本に再入国せず、「永住」がなくなることがあります。こうしたケースは、「定住者」として日本の在留資格を取得できる可能性があります。
ただ、今回のケースの問題点は、
- 永住がなくなって、なぜ30年経ってから日本に住みたいのか?その理由が大事です(健康上の理由、親族が日本にしかいない等)
- 日本での生活基盤、収入面などが確保できるのか?
- 日本での身元保証人はしっかりしているのか?
このあたりが問題になりそうです。
入国管理局にも問い合わせをしましたが、「可能性がないわけでないが、個別審査となります」といういつも通りの回答でした。これもしょうがなく、日本での在留を希望する理由を含めた総合判断になると思います。
なお、この案件は告示外の「定住者」なので、日本に短期滞在で来日し、変更申請という形になります。
申請しても、不許可の可能性もありますが、その理由を入国管理局に聞き、その不許可理由を補完し、再申請をしてゆくということも大切です。
以上、細かい資料があればみせていただければ、もっと詳しく説明できると思います。
行政書士 瓜生寛
外国人のための在留資格
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