入国管理局でも社会保険加入を厳しく審査する可能性がでてきています。
『社会保険』とは、一般的に企業に勤めている方が勤務先を通じて加入する「健康保険」と「厚生年金」のことです。
一方の自営業者の方は、「国民健康保険」と「国民年金」に加入するのが一般的です。
最近、在留資格(ビザ)・「経営・管理」の外国人が増えていますが、経営者である方は、どの保険・年金に加入すればいいのでしょうか?
株式会社や合同会社を設立して、在留資格(ビザ)・「経営・管理」の許可を入国管理局からうけている外国人経営者の方は、『社会保険に強制加入』です。つまり、会社という事業者単位で、社会保険に強制加入し、「健康保険」と「厚生年金」を支払っていかねばなりません。
会社勤めの場合は、社会保険加入しなければならないのに、国民保険という方もいますが、法律的には違反をしています。これは、勤めている会社が社会保険に加入してないので、個人に対しては、今までは日本人も含めて、役所からあまりうるさいことは言われませんでした。
しかしながら、会社等は、社会保険加入が義務づけられていますので、きびしくなっています。
社会保険に加入しなければいけないは、「強制適用事業所」といいます。主なものは次の2つです。
1.法人(株式会社や合同会社)の事業所であって、常時従業員を使用するもの。この場合、社長も従業員となります。
2.常時5人以上の従業員を使用する個人経営で、適用業種の事業所。
これらの事業所は、必ず社会保険に加入することが義務づけられています。
現在、在留資格(ビザ)・「経営・管理」の許可を新規で取得する場合、社会保険に加入していなくても許可はおりています。しかしながら、今後、在留資格(ビザ)の更新のときには、社会保険加入が入国管理局のチェックポイントになることは十分に考えられます。
現在の入国管理局の運用でも、在留資格(ビザ)・「経営・管理」から「永住」の変更申請をするには、社会保険加入は、絶対条件です。つまり、「経営・管理」の外国人が社会保険に加入していなければ、「永住」の許可はでません。
また、関連していることですが、社会保険でなく、国民保険加入の義務がある外国人は、国民保険に加入していなければ、「永住」の許可はでません。
外国人経営者が社会保険に加入するときは、健康保険と厚生年金に両方加入しなければなりません。どちらかひとつだけということは、原則できないのです。
年金は、今までは25年間支払っていなければ、もらえませんでした。しかしながら、今年2017年8月よりは、「払い込み期間10年」に短縮され、10年の払い込みで支給を受けることができます。外国人の方の言い分として、「25年の払い込みはできないよー」ということもできなくなります。
入国管理局としても、外国人が日本の法律を守っているか?ということは審査の重要事項です。だからこそ、「私の会社は社会保険に加入し、日本の法律を守っていますよー」とアピールした方が、入国管理局の許可率もあがります。
行政書士 瓜生寛
外国人のための在留資格
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